Blog and Book Reviews

怪笑小説 東野圭吾 集英社文庫 8/15/18

August 15, 2018

さすが、東野さん!大阪人のユーモアか、はたまた、超天才頭脳のなせる”怪笑”か。私は、東野さんの、超天才頭脳のなせる業と思いますね。9編の短編から構成されている、短編集。そのどれもが、完璧”怪笑”なのだ!ご本人の後書きに、それぞれの短編の由来というか、背景が語られているのも、大層よろしい。東野さんの、人間観察考とも言える、深くてけったいなお話しは、それぞれに、人生の深きを見、揶揄し、批判し、それはそれは、面白い。私の一番のお薦めは、最後に収めらている「動物家族」。怪談さながらのおぞましさに身震いするも、余りの真実に茫然自失するお話し。皆さまも是非、夏の夜長、怪笑をむさぼって下さい。

その時までサヨナラ 山田悠介 文芸社文庫 8/15/18

August 15, 2018

再び、旅の飛行機で読んだ本。その目的にピッタリだったと思う。複雑じゃないミステリーと愛の物語の融合作。ホラーに怯える事もなく、筋が複雑でないから、真剣に向き合わなくても、読み進める事が出来た。子供がカギを握るので、そこもほわーんとして、旅に丁度良い。そういう訳で、この本、私の旅のお供に最適の、伴侶でした!

My Favorite Schubert’s Quotes and Op. Posth.142 No. 3 7/16/18

July 16, 2018

For upcoming performances I have been practicing Franz Schubert’s Impromptu Op. Posth. 142 No. 3. What a tender and gentle soul Schubert displays in this piece! This heartfelt impromptu starts with Rosemunde’s melody, and goes through 5 variations with Schubert’s signature modulations. If I have to choose my most favorite of Schubert I most likely choose his B flat Sonata, the last sonata. Op. 142 No. 3 Impromptu and B flat sonata share the same key and same character, eternity. Schubert was very close to his last days and wrote those joyful and tender music…

Those are some of Schubert’s quotes I treasure:

When I wished to sing of love, it turned to sorrow. And when I wished to sing of sorrow, it was transformed for me into love.

Some people come into our lives, and leave footprints on our hearts, and we are never the same.

 

告白 湊かなえ  双葉社 7/16/18

July 16, 2018

ああーー。誰でも愛されたいん、ですね。まさに、それを書いた本。娘を事故(いや、事件)で失った母親の辿る、巡礼の道。そして、その道の行く先々で、告白が始まる。「私には、こういう言い訳があって、こんな事しちゃいました!」なんていう。告白は、美しくない。うんと、醜い。そして、巡礼の最後に、恐ろしい復讐が待っている。「イヤミス」という新語まで生み出した湊さんの小説。私の読後感は、逆にすっきり爽やか。最後の復讐の場面が、簡潔でとっても良いと思う。是非読んでみて!

楽園 上・下 宮部みゆき 文芸春秋 7/10/18

July 10, 2018

以前にも読んだ本だけど、もう一度読み返す。一年間に渡っての新聞連載小説。きっと読者は、ワクワクして読んだ事と思う。だって、次から次へと新しい道が開けて、先が見えない洞窟探検のようだから。入口では予想も出来なかった展開。そしてそこから、枝分かれして、更に新しい冒険が広がる。旅に持って行って、飛行機の中で、ホテルで、と読み進めた。気持の優しい人達と、化け物達。その間に立つのが、サイコメトラーの”等”という子供。もちろん小説というのは、仮定のお話しなのだから、何の根拠がなくても良いし、何をキーポイントに持ってきても構わない。だけど、私にとって、”サイコメトラー”が、すべてのキーを握る小説というのは(SFなら断然OKなのだけど)、何故か、洞窟冒険だと思っていたのが、実はデイズニーランドの乗り物だった、みたいな、拍子抜け感がある。だって、サイコメトラーが人の心象を読むとすれば、すべての事が可能になってしまうから。でも、ストリーの展開としては、最高だし、ワクワクして読んだ事は。本当ですよ!そして、力作です。

NHKドラマ 「弟の夫」7/4/18

July 4, 2018

久しぶりの感動ドラマ!3回に亘って凝縮された日常のドラマが、家族の在り方について、鋭くも温かく、描かれていました。設定は、はっきり言ってフェアリー・テール(お伽噺)だけど、内容がとっても良かったです。だって、天真爛漫で、人を疑う事のない可愛い女の子と(両親の激しい言い争いの末の離婚を経験している)、無職だけど家賃収入だけで悠々と暮らしているお父さん(IT企業の戦士脱落組)、離婚した理由はお母さんの浮気、だけど元夫婦は健全な関係を保っているし、と、フェアリー・テールの理由を挙げたらキリがないのだけど、そんなことはどうだって良いのです!「家族」って何だろう・・というのが、とても伝わって来て、3回目では、大泣きしてしまった私です。そして何と言っても、元力士の把瑠都(相撲大ファンの私としては、特に思い入れてしまった!)が、素晴らしい演技をしていますね。もちろん演技の勉強をしたのだろうけど、多分元々から才能があったのでしょうね。とっても自然で、てらいがないんです。

ゲイの結婚というのが題材で、ついに日本でも取り上げられる時代になったんだなあと、正直思いました。私のとても仲良くしている友人の2組が同性婚で、周りにも、結婚はしていなくても、カップルとして、長年連れ添っている人も沢山いるので、改めて、考えることもない日常ですが、LGBQTのEqual Right については、アメリカでも常に問題提起されています。しかしこのドラマは、子供の視点から捉える事で、「問題提起」という社会現象ではなく、ヒューマニテイーとして、また、人間愛として描き切っています。そこが、感動の原点だと思います。もし、まだ見ていなかったら、NHKのオンデマンドで可能かもしれないので、是非チェックして下さいね。大感動間違いなしです。

武道館 朝井リヨウ 文芸春秋 6/25/18

June 25, 2018

先日、朝井さんの御本のところで、丁重に謝った私。この本で、更に一段深く、朝井さんの御本に’惹き込まれました。進化を続ける朝井リヨウ!すごい!「武道館」は、アイドルのお話。しかし、この日本語のアイドルという言葉も、かなり元の言語から変化し、原型を留めていないのでは・・多分英語のIdleから派生したのだろうけど、元の意味の「だらしない」とか「仕事をしない」とかいう意味から、どういう経緯で現在の「アイドル」という使われ方になったのか。日本語って、面白いですね。閑話休題!この本、アイドルの姿とネットの脅威とを重ね合わせ、人間の本質に鋭く切り込んでいます。114ページに「欲しいCDがある。聴きたい曲がある。観たい動画がある。知りたい情報がある。その欲をかなえるために、まず無料でできる方法を選択するようになったのは、いつからだろう。」まさに言い得て妙。その通りです。

ファックスが普及する前に青春を送った私としては、我々の青春時代を、現在の青春世代は全く想像出来ないんだろうなあ、と思います。高校時代に、ポリー二(高名なピアニスト)のショパンの練習曲のレコードを、それこそすりきれるまで、聞き込んだし、他校の男子学生との連絡は、難航を極めたものです!日本の両親の家に残してきたレコードすべて処分された時には、かなりがっかり来たものだけど、今や多分そのレコードすべてが、YouTubeで無料で聞けるはず。各家にある電話だけが、連絡の手段で、駅で待ち合わせる時の急な連絡には、伝言板(ネットのではありませんよ)にチョークで書いたものです。でも、どんなに生活が変化しても、日本人の体形が欧米型に変化しても(!)、心のありようまでは、変化出来ない。ネットなしでは機能しない暮らしと、複雑化しすぎた生活様式。難しいけれど(特に若い時は)、どういう状況に置かれても自分自身を失わずにいきたいものです。だって、どういう選択をしたにせよ、最後は誰も責任取ってくれないし、自分でかぶるしかないんですから、ね。長くなりましたが、「武道館」是非読んでみて下さい。

まにまに 西加奈子 KADOKAWA 6/25/18

June 25, 2018

貴方、今退屈ですか。それとも、仕事に追われ、へーこらしてますか。静かな夜を一人で楽しんでいらっしゃる?どちらにしても、このエッセイ本お薦めです。何と楽しいこと!ユーモアに富み、鋭い指摘と文化的示唆に溢れ、虜になる事間違いなし!私はある日、一人昼食を楽しむながら、この「まにまに」を読み、愉快な時間を過ごしていました。36ページの「浪速のマロングラッセ」のところで、余りの可笑しさに吹き出してしまい(この段階で食後のコーヒーを飲んでいた)、シャツにシミが・・・そして、別の日、156ページの「おかぼちゃさん」で、又吹き出してしまったのです。ですので、この本と同時に飲むには、透明な「水」が必須ですね。あはは!是非手に取ってみてね。

A Movie “RBG” 6/19/18

June 19, 2018

Even a non-American myself of course I have heard about RBG and I knew she has been a center of equal right movement for any gender. And now I understand why she has a huge name. This movie portrays her intimate life from the very young age. At the age of 84, U.S. Supreme Court Justice Ruth Bader Ginsburg has achieved a giant legal legacy and she is still going! She is an icon!

This documentary shows her personal journey from Harvard/Colombia to the nation’s highest court while raising 2 children with a life time partner, Marty, her husband. RBG is a quiet warrior and Marty is an outgoing personality with amazing sense of humor. Their chemistry was started at Harvard! No one in her family is showy. They seem normal people. The movie is inspirational. 1 and 1/2 hour of the movie will take us to her exceptional life and mind. The movie is MUST to see!

プラナリア 山本文緒 文芸春秋 6/14/18

June 14, 2018

この本も前回に続き、「開拓」した作家のものです。5つの短編が収録されています。現実感たっぷりの、時には「こんな事、見たくないよー!」と叫びたくなるくらいの、現実を突きつけられますよ。そりゃ、人生「ハリウッド映画」のようにゃあ、いかないけれど、私の希望としては、本の中では、夢を見たいし、美しいものに触れたい。だから、はっきり言って、読み進めるのは、しんどかったですよ。ようやく、どん底から5作目の「あいあるあした」で這い上がれました。作者に感謝申し上げます。でなけりゃ、どん底のままでしたからね。