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ショパン・シューマン生誕200年記念コンサート  5/24/10

May 27, 2010

今年はショパンとシューマンの生誕200年にあたり、各都市で様々な記念コンサートが行われていますが、私もチェロとピアノの2重奏で3回演奏会を行いました。二人の作曲家が、チェロとピアノの為に書いた曲を集めると、とても良い長さのコンサートプログラムが出来るんです。ショパンの「序奏と華麗なるポロネーズ」と「チェロソナタ」、シューマンの「アダージヨとアレグロ」、「民謡風の5つの小品」、そして「幻想小曲集 Op. 73」。この5曲で、素晴らしいコンサートが出来ます。どの曲も長年に亘り演奏して来ていますが、毎回新しい発見、そして新しい試み、新しい指使いなどで、新鮮に向き合うことが出来ます。個人的にも彼らの音楽に心頭しているので、兎に角弾いていてとても楽しいです。

ショパンの「序奏と華麗なるポロネーズ」は、彼がパリに行く前の20歳頃の作品で、「チェロソナタ」は晩年のもの。という訳で、2つの全く異なったショパンの顔が覗えます。皆様もご存知の様に、ショパンはピアノの作曲家。彼の作品は、ほとんどがピアノ曲です。しかし、少しだけあるピアノ曲以外の作品には、すべてにチェロが入っているんですよ。ショパンのチェロへの想いが、強く感じられますね。ところで皆様、ショパンの手をご覧になった事がありますか。私は、亡くなった後に型を取って作った「ショパンの手」を見たことがありますが、驚くほどに小さい手をしていたことが分かります。上記の「チェロソナタ」、「序奏と華麗なるポロネーズ」を含め、ショパンのピアノ曲はテクニック的に難解なものも多いですが、ショパンの手で弾けるように作曲されているので、正しい練習を積んで指使いなどを工夫すれば、どんな手の人にも必ず弾けるはずなのです。そこが、リストやラフマニノフと違うところ。そして、ショパンの曲を正しく練習して自分のものにすれば、確実にピアノのテクニックが上がります。

シューマンの上記3曲は、詩的で、深い音楽性に富んでいます。チェロとピアノが微妙な掛け合いと会話で、時には激しくそして優しく、又、戯けたりと、これも弾いていてとても楽しいんですね。ですから、2人の奏者の息が合わないと、音楽が自然に流れないとも言えます。テクニック的には、ショパンの2曲程難解ではありませんが、音色やフレーズの組み立て方、詩情、物語性など、表現するべくものが、沢山あります。作曲家の意を汲み、彼らの感じていたであろう音楽性を表現していけたらと、願っています。