中米公演旅行 エルサルバドルにて(新聞の連載エッセイから) 9/26/10

September 29, 2010

先日ご報告したキューバでの公演の次は、エルサルバドルでの演奏会へ。効率の良い乗り継ぎの飛行機が無く、コスタリカのサンホセ飛行場経由で、行きました。エルサルバドルも、始めての訪問国です。キューバは暑くて、正にカリブ海の美しい島、という感じだったのですが、こちらでは、シトシト雨が私を迎えてくれました。空港から30分くらい離れた首都のサンサルバドル市は、少し高地にあり、ちょっと肌寒くもありました。

エルサルバドルは、中南米の他の国々同様、長くスペインの統治下にあり、1823年に独立。その後の60年間は、国内の権力争いに明け暮れ、又、隣国のグアテマラとホンジュラスとの領土紛争もありで、混乱を極めていたようです。その後、ヨーロッパにおける珈琲の需要が伸び、輸出産業が展開。それに伴って、資本家階級が誕生し(「珈琲14家族」と呼ばれ、現在もこの末裔が国の重要な部分をになっているらしいです)、彼らが政治・経済両面で国を支配するようになりました。その後、悲惨な生活を強いられた農民・労働者の不満が溜まり、共産党の誕生、クーデター後の軍事政権など、第二次世界大戦をはさんでも、不安定な政情が続いていたようです。いろいろな支配政党が次々にあらわれ、1984年の選挙で中道左翼政権が始まりましたが、国民の期待に応えられず内戦が悪化し、5年で敗退。1989年に行われた選挙では保守系が圧勝し、その後国連事務局長の支援や、アメリカの後押しもあり、ついに1991年にメキシコにおいて和平合意文書に調印。長い間の内戦に別れを告げました。そして、内戦による国の疲弊に手を打つべき、新政党(ARENA)が国の再開発に乗り出しました。そして、2009年に15年ぶりに選挙が行われ、再び左派政権が勝利。現在は、50歳のフネス大統領下、国政の見直しを図っています。特に、文化面での教育が疎かになっていたので、その面において、何とか早く青少年にきちんとした文化教育をしたいと、模索しているようです。

こういった背景もあり、私のコンサートは、エルサルバドルの文化庁の期待が高かったようです。もちろん日本とエルサルバドルの友好、そして日本の音楽紹介が今事業の大きな目的ですが、国民に音楽の素晴らしさを通して感動を与え、情操教育に目覚めてもらう、と言う背景でしょうか。コンサート前日、在エルサルバドル日本大使館での晩餐会で、エルサルバドルの文化庁の方達とお会いし、いろいろなお話を聞かせて頂きました。将来に向けての音楽教育、芸術振興など、計画は多々あるようですが、まだまだ実行には至っていないと言うのが、実情のようです。コンサートは2回、首都のサンサルバドル市の国立劇場と、第2の都市サンタアナ市のこれも国立劇場で。どちらも、沢山のお客様に入って頂き、公演終了後も多くの方々から素晴らしいお言葉を頂き、まさに演奏家冥利につきるエルサルバドルでの経験になりました。アンコールでは、日本の「さくらさくら」をピアノにアレンジしたものに続き、エルサルバドルのお国自慢の歌を2曲弾き、会場と一緒に盛り上がりました。

次は中米の大国、メキシコへ移動です。こちらは、国の規模が全然違うので、どんな経験になるのか、今から楽しみです。メキシコでも、2公演が予定されています。それでは、又、近況お知らせします。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *