パラダイス・サーテイー 上・下   乃南アサ

May 1, 2013

これはちょっと「軽い」作品かなあ、と思って読み始めたところ、文体は軽めだけど、中身はぐっと濃い。30才を目前にした幼馴染の女性二人が、繰り広げるお話だ。この本の中にも、ぐぐっとくる表現が詰まっているのだけど、その中で好きなのが、「吐き気のようなこのがこみ上げてきて、それが目から滴になって落ちた」。何と素晴らしい表現だろう。詩的で、かつ、とても動きがある。表現が止まっていない。女性のうちの一人、栗子(通称、グリコ)は、恋、恋愛、結婚、母になることを夢見る、29歳のOL。その友人菜摘は、レズビアンでバーを経営する。この二人が、恋をめぐり(もちろん違う恋人だよ!)、葛藤し、だまされ、はめられ、誤解し、30代に突入するお話。豪快で面白い。そして、核心を突いている。もう、乃南さんの本は、読み始めると止められなくなるから、大変だ(!)

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