顔に降りかかる雨・天使に見捨てられた夜 桐野夏生 講談社文庫 7/2/14

July 2, 2014

第39回江戸川乱歩賞を受賞した「顔に降りかかる雨」。そして、同じ女探偵ミロを登場させた「天使に見捨てられた雨」。読み始めた時は、近著のダークなどとは全然違う雰囲気で進む文章に、ちょっとどぎまぎしてしまったけれど、次第にその奥行きの深さに、ずんずんと入り込んでいった。暗い都会の片隅に蔓延する悪との戦い。ストレートには出さない闘争心が、逆にミロの魅力を強くしている。長い間トップで活躍する作家というのは、こうしていくつもの語り方を持っているんだなあと、改めて感動。音楽家も一緒で、どれだけ幅の広いレパートリーを持っているか、創造豊かな音色や表現の仕方で、活動の領域が変わってくる。

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