Book Reviews (マイブック評)

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年  村上春樹  文芸春秋社  1/28/15

January 28, 2015

これは、大層美しい小説だ。今回本当に思ったけれど、村上春樹の小説って、とても視覚的なんですね。何だか、映画を見ているような感じ。題名からしても、もちろんビジュアル的なんだけど、それにしても、カーテンがふんわか揺れる様子や、プールの中の水のゆらめきまで、目の前で起こってしまう。多崎つくるの日常、彼を取り巻くカラフルな人間模様、悲しみ、喜び、過去、現在、未来、不思議な空間を行ったり来たり。どっぷり村上ワールドに浸ってしまった。