九月が永遠に続けば  沼田まほかる   新潮文庫 5/1/16

May 2, 2016

この作者、50代になって小説家になったという、遅咲き、だけど、とんでもない才能の持ち主だ。この一冊に、宇宙のすべてが凝縮されているともいえる、人間の根幹を描いた本。最初、ホラーサスペンス大賞を受賞したものの、余り売れず、しかし他に書いた本が注目を浴びると、この本にも関心が集まり、ついに文庫本60万部を突破したとか。東京の電車の中で、どれだけの文庫本が読まれたかと想像すると、それだけで、ホラーな感じがする。「読者界を震撼させた。。」とあるが、文章の構築性、心地良いテンポ、人間関係の複雑かつシンプルな空気感、そして一番大事な、「愛」を、一冊に閉じ込め、いろいろな意味でぞくぞくさせる、この本。題名から想像すると、青春の1ページを描いた感だが(それも多分にあるけど)、永遠のテーマの「人間とはなんぞや?」に迫る、すごい本だ。是非お読み下さい。