蛇にピアス & 軽薄 金原ひとみ 7/31/17

July 31, 2017

綿矢りさの「蹴りたい背中」と一緒に、2004年度の芥川賞を受賞した作品。まあ、海外にいるので、文壇の情報などにも疎く、今頃読んでいる訳です。こう来ましたか、という感じかなあ。確かに、暴力度最高なので、そのパワーに度肝を抜かれるというのは否めないけど、根底は究極の優しさだと思う。そして幸せの究明。私自身、スプリットタンにも入れ墨にも興味は全くないけど、人それぞれ、興味の対象も違うし、自分に対してどこまで出来るかという、挑戦の方向性も違う。京都の西陣織の職人なら、その道を究めようと切磋琢磨するだろうし、植物学者ならアマゾンの山奥に、目指す植物を探しに行くだろう。

いくつか彼女の初期の作品に目を通したけど、暴力全開、猥褻全開の世界感。そして、「軽薄」を読んだ。芥川賞から約12年経ち、結婚しお子さんも二人いらっしゃるご様子。アンダーグラウンド臭でぷんぷんしていた初期の作品から、「軽薄」の主人公は裕福層でカッコ良い仕事をしている。でもやはり「殺す」「死ぬ」という愛情表現がテーマだ。甥を愛し、心を埋めようとする30代既婚女性。そしてすべてを捨て解放されると言う。でもその後の人生は?いつでも「何か」の最初は、新鮮で素敵だ。その継続が、最も難しい。