通天閣 西加奈子 筑摩書房 12/15/17

December 15, 2017

「さくら」、「サラバ!」と読み進め、「通天閣」に届いた私。ぶったまげましたよ!西さんの引き出しの多さに。私より世代のお若い西さんなのに、何で私の痛いところ知ってるの?という感じ。例えば、男性の部屋を紹介するくだりに(5ページ)、「スヌーピーの柄のフォーク、カエルが大きく口を広げた灰皿、エリエールテイシュー。。」とあるのだけど、何であんたさん知ってるんや?(私は関西人ではないけれど、つい関西弁風になってしまう)と、つい独り言を言ってしまう。また、アパートのお向かいさんを言い表すのに、「くしゃみをしたらぼとぼとと落ちそうな、ちぐはぐな顔。。」などと、しゃらっと言ってしまう。すごすぎて、ただただ唸るだけの私ですよ。そして泣かせる場面もちゃんと盛り込んでいる。「小さな頃、自転車を漕ぎ出すときはいつだってワクワクした。ぐん、と大きくひと漕ぎしたら、それだけで何か楽しい事が始まるような気がした。冬だって、夏だって。どうしてあんなに元気だったのだろう。「寂しさ」や「切なさ」から、圧倒的に遠い場所で、小さな私はいつまでも自転車を漕いでいた。。。」とんでもなく、美しい表現ですね。涙なしには、読めない箇所です。この本も「愛」が、ページの間を所狭しと埋めています。ああ。。。感動した。