Book Reviews (マイブック評)

サラバ!上・下 西加奈子  小学館 12/15/17

December 15, 2017

西さんの「さくら」を読んで、心から陶酔してしまったので、「サラバ!」を早速読みました。とても長編ですよ。だけど、物語があれっという間に繋がり、世界にまたがるお話が、すんなりとコネクトしています。「信じるものを自分で見つけろ!」というお話で、ギャーこんなに正直になって良いの?っていうくらい、とても心の奥底まで、ねじ曲がろうと直球だろうと、さらけ出しちゃっているんです。ダメさを出しているようでいて、実はとても強さを感じる登場人物たち。変人で、人間性破壊人物のようでいて、一本筋が通っている。貴子さん、歩君、お父さん、お母さん、貴方達は強靭だ!歩君が、自分を肯定するため他人を否定するという、常套手段人物性から、這い上がるお話と集約出来るでしょうね。そして人間の愛の深さ。深く、深く、とても深い。またしても、西さんのご本に、感動して、涙してしまった。周りを固めるご近所さんや、遠く離れた異国の友、おばあちゃんやおばさんにも、この作者はとても深い愛を注いでいます。それが、「サラバ!」という合言葉に。まだ、西加奈子さんの御本を読んだことがなければ、是非是非読んで下さい。