きいろいゾウ  西加奈子 小学館 1/22/18

January 22, 2018

再び、西加奈子さん!この本は映画にもなったのだとか・・日本に住んでいないので、知らないことが沢山あるんです。感動の「愛の物語」であるのは、本当に本当にそうなのだけど、音響的でもあるんですね。時に強く、弱く、囁くように、叫ぶように、本の中の字が語り掛けてくる。シンフォニー聴いている感じ。いつも西さんの御本から文章を引用しているのですが、今回も。沢山のお気に入りから選ぶのは一苦労。でもこんな素敵な文章はいかがでしょう。「窓から夜が次々にやってきた。一度入りこむと、それらは堂々と私たちの周りを囲み、そして居座り続ける。私は膝に置かれたムコさんの手に、自分の手を重ねる。眠るのをどんどん先延ばしにしてしまうのだ、こんな夜は。こんな、細くて綺麗な月の夜は。・・・」「メガデス(注:犬の名)は<きゃーっ誰だっけ!?>そんな感じで、尻尾をぶんぶん振ったり飛びついて見せたり、何せ犬らしいことをした。カンユさん(注:別の犬の名)が絶対持ってない類の仕草だ・・・・」「一番上のボタンが取れかかっていることに気付いた。帰ってツマに繕ってもらわなければ、そう思って、自然と笑みがこぼれた。不器用なツマ、白いシャツなのに、堂々と赤い糸で縫ったりするものだから、僕はずいぶん恥ずかしい思いをしなければならないのだ。」

どのページをめくっても、こういう素晴らしい文章に出会う。又、登場人物の名前が、そのキャラクターに、とってもしっくり、そしてユーモアたっぷりなので笑える・・・だから、どんな悲惨で深刻な時も、あっけらかんと出来る。西さんのお御本に、心底入れ込んでいます。