美しい距離 山崎ナオコーラ  文藝春秋 12/24/18

December 24, 2018

作者の目標は「誰にでも分かる言葉で、誰にも書けない文章を書きたい」との事。この本、人の死を作者の目標通りに書いていると思う。私自身、今年も若い友人を癌で失った。彼女、13歳の子供を残して、この世を去って行った。「美しい距離」は、若くて、仕事バリバリの妻が末期の癌と診断され、それを夫が看取って行く話しだ。「癌」という病の持つレッテルに反発し、夫は自分達らしさ、彼女らしさを、強く求めて行く。そして、病いの妻を思うあまり、考えすぎ、空回りをしたりもする。それを妻が、逆にさり気なく、窘めたり。毎日、少しずつ「死」に向かって行く妻が、とても素晴らしく描かれている。そして、夫の深い愛情も。思わず、涙してしまう、小説ですよ。