これからお祈りにいきます  津村記久子  角川文庫  3/17/19

March 17, 2019

大切な誰かのために心を込め祈る。その願いを叶えるため、自分の取られたくない体の一部をいろいろな方法で工作し、神様に捧げる風習。「サイガサマ」の祭りで、それが奉納される。そして時に、その奉納した工作で作った体の一部が、実際の体から、ひょこっと消えてしまう。そのため、雑賀(サイガ)町には、体の一部を失った人が時折いるという訳だ。密かに愛する人のために祈る。見返りを望まないどころか、自分の体の一部まで捧げてしまう。そして、その失った不自由な体を、淡々と受け入れる。人生の根幹に迫るようなテーマであるのだが、そこを「お隣り近所的」な物語と、親近感のある文体が、こちらの心にスーッと入ってくる。なかなか、素敵なお話しだと思いますよ!