サロメ Salome 原田マハ 文藝春秋 11/20/19

November 21, 2019

サロメの世界に浸ったここ数日。フィクションなのだけど、何だか自分もロンドンの町を闊歩して、オスカー・ワイルドや、ビアズリー姉弟とサロメを語っている感じ。強烈な小説である。オスカー・ワイルドの小説を読んだことがなくても、オーブリー・ビアズリーの挿絵は見たことがあると思う。一度見たら、決して忘れないサロメのイメージを、深く我々の中に残す空恐ろしい絵の数々。特に、サロメがヨカナーンの首を持っている絵は(この本の表紙にも使われている)、不思議な笑みが狂気の世界を映し出す。サロメを中心に、芸術に突進するオーブリーの才能と、それを支える姉のメイベル。ワイルドを取り巻く人間関係と、当時のロンドンの街が、独特の世界観で書かれた原田マハの力作。