ある男 平野啓一郎 文藝春秋 3/28/20

March 28, 2020

戸籍交換して過去を消すという男(達)の話。誰か全くの他人に、今日から自分がなれるとしたら・・そして、その他人の過去をも自分のものにする事が出来たら・・自分が忘れたい過去の汚点も、忘れたい家族との確執も、全てが帳消しになる。そして、新しい出会いがあり、結婚もあるだろうし、子供も生まれる。新しい名前、身分、経歴。戸籍交換前の自分と、戸籍交換後の自分が、ある意味二人存在する訳だけど、交換を望んだ自分に取っては、新しい自分だけが意味があることになる。これは、ひょっとすると、ネット上で、架空の名前で活動したり、炎上させたりする事と、意外と近距離にあるコンセプトでは・・魅力的だけど、強力な毒も含んでいる。