葬送 平野啓一郎 第一部 上下 第二部 上下 新潮文庫 May/2020

May 26, 2020

4冊ある事からも分かるように、これは大大長編だ。平野啓一郎に傾倒している私としては、是が非にも読みたい本であった。特に、ピアニストである私にも、大いに関係しているショパンと彼の恋人サンドが、中核を成すとあれば、尚更だ。という訳で、日本から本を取り寄せ、読み始めた。私もショパンについては、様々な本を読み、彼のピアノ曲のかなりの部分を演奏してきた。友人にショパンを専門にする有名な学者もおり、話し合ったこともある。ショパン像の余りの違いに、又、当時のパリのサロン界の見解の違いに、しばし本を中断。日本のお昼のメロドラマみたいに、ショパンの周囲の芸術家やパリのサロンの住人達が描かれているので、まずどのようなスタンスで本に近づいて行ったら良いのか、戸惑う事しきりだった。どうにか、これはショパンやドラクロア の名前を使った、日本の小説なんだ、と思い、読み進めた。分かり易く状況を説明するというのも、小説の大事な部分かとは思うが、それに度が過ぎると、こちらの空想の余地が全然なくなり、ちょっと呼吸困難状態になる。私は仲の良いフランス人の友人もいて、家族同様に付き合い、フランスに行けば彼女の家に泊まる。リオンで行われる音楽祭にも参加している。この小説には、「フランス」があんまり存在していない感じがするが、皆さんはどう思われますか。