Book Reviews (マイブック評)

お友だちからお願いします 三浦しをん 大和書房  11/27/17 November 28, 2016

三浦しをんさんの、ゆるキャラエッセイ集。かなり広範囲から集めたもののだけど、三浦カラーが一貫している。一つ一つが大変短いので、ちょこっと読むには、最高です。三浦さんの「お茶目」ぶりが、どこかしこにも出ていますよ!

仏果を得ず 三浦しをん  双葉文庫 11/27/16 November 28, 2016

私は三浦しをんさんに、はっきり言って、かなりいかれている。彼女の本は、取り敢えず全部(手に入るものは)読んでやれと思っている。この本は、彼女の職業紹介ガイド風の本の一冊。林業、辞書編集、など、彼女の手にかかると、すごーい小説になる。そしてこの本は、文楽を題材にしている。(どうも、彼女自身、人形浄瑠璃にはまっているらしい。)文楽のすごさを、現在の設定で、魅力的に、紹介している。恋愛、嫉妬、競争、など、様々な人間関係の中で、若い主人公がもまれ、成長していくお話し。やっぱり、面白かった。是非お読み下さい。

Haruki Murakami “Norwegian Wood” 11/15/16 November 15, 2016

I have read this book at least 5 times by now. Each time I cry at the same places, one is the cucumber scene when Watanabe at Midori’s father’s death bed. It is very quiet, tender, gentle, and beautiful scene. Murakami is known to be a sort of Japanese-American style writer, but he is really […]

Schubert’s Winter Journey: Anatomy of an Obsession by Ian Bostridge Knopt 11/7/16 November 7, 2016

First of all, it is a beautiful book. And it is very heavy.. They use very nice paper. If you like Schubert’s Winterreise this is the book to read. I have played many of songs in this collection and recently heard Alfred Brendel/Matthias Goerne’s performance of Winterreise at Disney Concert Hall. I believe it was […]

私のこと、好きだった? 林真理子 光文社 11/7/16 November 7, 2016

久しぶりの林真理子さんのご本。彼女の「白蓮れんれん」「野ばら」「本をよむ女」「下流の宴」「ぶどうが目にしみる」「Ruriko]など、私は大ファンです。それだから、ある種の郷愁と、期待感を膨らませて、手に取ったこの本。ああ、これだ!林真理子節だ。というのが、1ページ目からの感想。彼女のバブル期への偏愛(私が勝手に思っている)や、彼女独特の性悪的見方、悪女ぶらせるところ、なんか懐かしくもあるけど、私があまり好きでないのも、事実だ。だけど、最後が圧巻ですね。ここで、人間の本質は、いかに!というのに、答えがでる。長年、常に第一線で書いてきた作家というのは、違う。本のページから、圧倒されるようだった。

そういうふうにできている さくらももこ 新潮社  11/7/16 November 7, 2016

初めてさくらももこさんのご著書を拝読!確かに、面白い。メチャユーモアのセンスがある。何といっても、テンポ感が良い。あっという間に読んでしまった。ご自身の妊娠・出産のドキュメンタリーなのだが、しっかり物事観察しながら、かなり苦しい場面にも合うのだけど、底抜けに能天気なのが、最高だ。ももこさんのご著書、いろいろ探求します。

秘密の花園 三浦しをん  新潮文庫 10/1/16 October 1, 2016

「花園」とは、まさに言ったもの! 高校女子達の、現実かつ、宇宙的に非現実な物語。私もカトリックの女子校に中学だけ行ったから、何となく雰囲気がつかめてしまう。その可憐さと、残酷さが。取り澄ました制服に閉じ込められた真実は、外からは絶対見えない。私は、小さいころから、辛いことが結構あって(実は困難に耐え切れず、家出までした経験の持ち主)、そこから逃げるために、自分によく、「ここは死後の世界だよ。前は楽しかったんだけど・・」などと言い聞かせていた。自分であること、自分を生きること、永遠のテーマ。どの作品にも、美しい表現がたんと詰まった三浦さんの小説。この一冊も、どのページにも、詩が舞っている。

Dark Matter by Blake Crouch 9/26/16 September 26, 2016

I joined Highland Park Book Club this month and this is their choice for September. I tend to read Japanese books, mainly I am familiar with the authors, but I wanted to explore American literature. It is an entertaining book, that is sure. I told in the book club meeting this book is like music. […]

私が語りはじめた彼は 三浦しをん  新潮文庫  9/10/16 September 11, 2016

私の三浦しをん病は、止まるところを知らない。どこを切り取っても、文章が美しくて、ぼーっとしてしまう。一人の男性を軸に、いろいろな関係の人が、「彼」について、語る小説。「愛」というのは漢字一文字だけど、その意味、関わり方、解釈、気持ちも身体も、何だか、壮大な宇宙の中を、遊泳しているようだ。三浦しをんさんの感性は、研ぎ澄まされ、極限まで、削って美しい文章を作りだしているような気がするが、でも、実はもう頭の中からどんどこと、湧き出てくるのかも、しれない。とにかく、美しい小説です。

シャイロックの子供たち 池井戸潤 文芸春秋 9/10/16 September 11, 2016

この本は日本では随分と評判になったらしいのだけど、何故かいまいちぴんと来ませんでしたね。ストーリーが複雑というのではないのだけど、似たような名前が次々に出てくるので、何度も前の章を確認してしまった私です。確かに、ひねりを入れた2回転、3回転はお見事!だけど、何となくすっきりしない。モヤモヤする。銀行という主人公は、とても魅力的なのだけど、その脇を固める人間達が、生き生きしていないような。という訳で、ブック評も、バシッと決められない感じです。