Book Reviews  マイブック評

View book reviews from 2008 – 2012.

ウツボカズラの夢  乃南アサ   双葉社

August 13, 2013

シンデレラストリーとも言える、東京に出てきた19歳の少女(女性にはなっていない)の冒険談。最初は、はっきり言って虫けら同様の扱いを受けるも、自身の確固たる目標を見つけ、ずんずんと、たくましく、金持ち一家を追い越していく。幸せの原点に迫る。他人との競争ではない。自分の目標と価値観。そのためには、この主人公、結構なこともやってのける。でも、幸せをきちんとつかむのだ。うっとうしさが無い、カッコ良い!

ナミヤ雑貨店の奇蹟    東野圭吾 角川書店

August 5, 2013

ヒューマニテイーなのである。美しい本である。現実には全くない事を、こんなに人間臭く書ける東野さん、素晴らしい!実際の物語の設定は、空想と現実の組み合わせで、複雑に絡み合う。そして、語られるお話は、本当に泣けてくるような、心にずしっとくるものだ。眠れぬ夜に、一気に読んでしまった。励まされ、怒られ、愛され、慈しみの心で包まれる。ナミヤ雑貨店のおやじはすごい。人生の真実を突いてくる、本物だ。東野さん、すごすぎる・・・

相撲の秘密  新田一郎    朝日出版社

July 30, 2013

相撲ファンなら、必見の一冊!相撲の歴史から技の解説まで、分かりやすく、かつく面白く、相撲ファンの心をくすぐる。もちろん、名古屋場所の売店で購入したのであるけれど(相撲雑誌等も買う!)・・・・ 相撲に興味がなければ、価値は余りないかもしれないなあ。でも、こういう事だったのか、と納得出来る部分もあると思うので、相撲をテレビで見るチャンスのある貴方には、価値のある一冊になること、間違いなし。

結婚詐欺師  乃南アサ   幻冬舎

July 27, 2013

日本にいる間に買った本の一冊。次々にだまされる女性達、そしてだます喜びを追いかける男。だましているのではなく、女性の人生をコーディネイトとしている、とまでうそぶく男に一切の反省はない。女性達の中には、騙された自分が許せなくて自殺するものが出る。老後の全財産を失う女性もいる。それでも、悪気なく、次のカモを探して、自分の贅沢に使うお金を巻き上げる。こんなに簡単に騙されるのか・・・・でも、何と言おうと「結婚」という名目は、多くの女性にとって、キラキラ輝き、「一度はしたいもの」なのだ。その心理を知っての、詐欺である。どうぞどうぞ全女性の皆さん、特に婚活に燃えている方々、もしくは、孤独が忍び寄っていると感じている方々、男性の上辺の「甘さ」にころっといかないように。

The World of Music According to Starker

July 20, 2013

 Janos Starker                 Indiana University Press    
I read this book on the way to Japan, and during my traveling in Japan. It is really a fun book. As you know Starker was one of the very very best cellists of our time. He passed away several months ago. I love his recordings. I never heard his live performance, but I once heard him playing live on the radio, maybe 12 years ago… It was one of “Fingers from Hell” Popper pieces, and was really perfect! Also I recently heard him playing with his young student on “From The Top” radio show, and it was very nice to hear nice duet. His memoir spans from his youth years in Hungary to the current time in US. He has so many stories to tell, and it is just fun to read them! He has so many amazing musician friends personally and professionally. He is no longer living on the earth, but he left so many great recordings for us to listen.

幸福な朝食  乃南アサ  新潮社

July 13, 2013

これは、ホラーなのか。それとも、サスペンスなのか。どちらにしても、乃南さんの、大初期時代の作品だ。だから、「アラサー」なんて言葉が世の中
を横行する随分前の話。アラサーの美しい独身女性の悲しいお話だ。そして、その女性が、狂気の道を滑り落ちていく。

港町食堂  奥田英郎  新潮社

July 3, 2013

港の風景が、とっても生き生きしていて、べらんめー調の語り草が最高だ。日本のいろいろな港へ、船を使っていくというのが基本で、そこからエッセイーが生まれてくる訳だ。つまり、船に乗る行為に、切羽詰った理由はない。ただし、乗ってしまう。奥田さんの、ほわーーーんとした感じがとても良い。奥田さん、決っして無理をしない。でも、観察眼するどし。知らないうちに、港町旅情に引きずりこまれる、私でした。

ソロモンの偽証 第1、2、3部 宮部みゆき  新潮社

June 30, 2013

うわさの「ソロモン」、大長編である。1部が約700ページ強あるのだ!旅がいろいろあったので、飛行機の中で結構読めるなあと、思っていたのに、それでも、読破するのに、一ヶ月近くかかってしまった。中学生が、ある事件をきっかけに、立ち上がり、その同級生の謎の死に、まっこうから向き合う。そして、裁判という形で、真実を明らかにしていく。このような大長編で、しかもミステリーの要素もあるお話は、構成に一体どれくらいの時間を費やすのだろうか。そして構図を作り、そこから物語が出発する訳だが、ストーリーが展開するにつれ、きっと登場人物達が紙面からはみ出してしまう事も、作家の気持ちが、書き進むにつれ構成時からずれていく場合、など、これだけ長い時間を費やせば何かしらあると思う。その辺をどのように、収拾しながら、書き進めるのかな??
すごい心理戦で、ストーリーも大変面白いのだが、一点文句をつけさせて頂くなら、中学生にいくら頭が良いとはいえ、これだけの実行力、判断力、バイタリテイーがあるだろうか??まあ、とにかくすごい本です!ご期待あれ!

未練  乃南アサ   新潮社

May 29, 2013

音道貴子シリーズの一冊。これも短編集で、全部でこちらは、6編。もちろん、音道さんの出てくる小説だから、サスペンスで所謂推理小説なのだが。不思議に普通の短編も出来て、それが何だか、とても新鮮。え、これって推理小説じゃないの??、という感じになるのだけど、それが又面白い。音道の活躍は今までにも沢山拝見しているけれど、今回は違った顔を見せてくれる。音道貴子のファンなら是非読んでください。

幸せになりたい 乃南アサ  詳伝社

May 20, 2013

まさに、「幸せになりたい」と切望する女性達の短編集。そこは天才の乃南さん。単純な幸せではない。恨みがあり、仕返しがあり、裏切りがあり、見込み違いがあり、恐れがあり、それも深い深いところで、その怨念が渦巻く。人間とは、何と大変な生き物か。全部で、7編のお話が入っているが、そのどれとして、似た手法がなく、短いながらも、山あり谷ありで、面白い。こんな心情になるのは自分にも良く分かる、と、読みながら思う方が沢山いらしゃるような気がするのだが。。。