Book Reviews  マイブック評

View book reviews from 2008 – 2012.

相撲の秘密  新田一郎    朝日出版社  7/30/13

July 30, 2013

相撲ファンなら、必見の一冊!相撲の歴史から技の解説まで、分かりやすく、かつ面白く、相撲ファンの心をくすぐる本である。名古屋場所の売店でゲット。相撲に興味がなければ、価値は余りないかもしれないけど、私に取っては、大変面白い。相撲のカゲに潜む様々な不思議。こういう事だったのか、と手を叩いて納得出来る部分もあるはず。相撲をテレビで見るチャンスのある貴方には、価値のある一冊になること、間違いなし。

結婚詐欺師  乃南アサ   幻冬舎 7/27/13

July 27, 2013

日本に滞在中に買った本の一冊。次々に騙される女性達、そして騙す喜びを追いかける男。騙しているのではなく、女性の人生をコーディネイトとしている、とまで嘯く男に一切の反省はない。女性達の中には、騙された自分が許せなくて自殺するものが出る。老後の全財産を失う女性もいる。それでも、その男は悪気なく、次のカモを探して、自分の贅沢に使うお金を巻き上げる。こんなに簡単に騙されるのか・・・・でも、何と言おうと「結婚」という名目は、多くの女性にとって、キラキラ輝き、「一度はしたいもの」なのだ。その心理を知っての、詐欺である。どうぞどうぞ全女性の皆さん、特に婚活に燃えている方々、もしくは、孤独が忍び寄っていると感じている方々、男性の上辺の「甘さ」にコロっといかないように。

The World of Music According to Starker  Janos Starker           Indiana University Press    7/20/13

July 20, 2013

I read this book on the way to Japan, and during my traveling in Japan. It is truly a fun book. As you know, Starker was one of the very very best cellists of our time. He passed away several months ago. I love his recordings. I never heard his live performance, but I once heard him playing live on the radio, maybe 12 years ago… It was one of “Fingers from Hell” Popper pieces, and was really perfect! Also I recently heard him playing with his young student on “From The Top” radio show, and it was very nice to hear a wonderful teacher-student duet. His memoir spans from his youth years in Hungary to the current time in US. He has so many stories to tell us, and it is just fun to read them. He has so many fantastic musician friends personally and professionally. He is no longer living on the earth, but he left excellent recordings for us to keep listening Starker.

幸福な朝食  乃南アサ  新潮社 7/12/13

July 13, 2013

これは、ホラーなのか。それとも、サスペンスなのか。どちらにしても、乃南さんの、大初期時代の作品だ。だから、「アラサー」なんて言葉が世の中
を横行する随分前の話。アラサーの美しい独身女性の悲しい。そして、その女性が、狂気の道を滑り落ちていく。

港町食堂  奥田英郎  新潮社  7/3/13

July 3, 2013

港の風景が、とっても生き生きしていて、べらんめー調の語り草が最高だ。日本のいろいろな港へ、船を使って行くというのが基本で、そこからエッセイーが生まれてくる訳。つまり、船に乗る行為に、切羽詰った理由はない。ただし、乗ってしまう。奥田さんの、ほわーーーんとした感じがとても良い。奥田さん、決っして無理をしない。でも、観察眼鋭し。知らないうちに、港町旅情に引きずりこまれる、私でした。

ソロモンの偽証 第1、2、3部 宮部みゆき  新潮社 6/30/13

June 30, 2013

うわさの「ソロモン」、大長編である。1部が約700ページ強ある。旅がいろいろあったので、飛行機の中で結構読めるなあと、思っていたのに、それでも、読破するのに、一ヶ月近くかかってしまった。中学生が、ある事件をきっかけに、立ち上がり、その同級生の謎の死に、まっこうから向き合う。そして、裁判という形で、真実を明らかにしていく。このような大長編で、しかもミステリーの要素もあるお話は、構成に一体どれくらいの時間を費やすのだろうか。そして構図を作り、そこから物語が出発する訳だが、ストーリーが展開するにつれ、きっと登場人物達が紙面からはみ出してしまう事も。作家の気持ちが、書き進むにつれ構成時からずれて行ったり、様々な困難、葛藤があるに違いない。その辺をどのように収拾しながら、一本道を貫き、書き進めるのかな??すごい心理戦で、ストーリーも大変面白いのだが、一点文句をつけさせて頂くなら、中学生にいくら頭が良いとはいえ、これだけの実行力、判断力、バイタリテイーがあるだろうか??まあ、とにかくすごい本です。ご期待あれ!

未練  乃南アサ   新潮社 5/29/13

May 29, 2013

音道貴子シリーズの一冊。これも短編集で、全部でこちらは、6編。もちろん、音道さんの出てくる小説だから、サスペンスで、所謂推理小説なのだが。不思議に普通の短編も出て来て、それが何だかとても新鮮。え、これって推理小説じゃないの??、という感じになるのだけど、それが又、面白い。音道の活躍は今までにも沢山拝見しているけれど、今回は違った顔を見せてくれる。音道貴子のファンなら是非読んでください。

幸せになりたい 乃南アサ  詳伝社  5/20/13

May 20, 2013

まさに、「幸せになりたい」と切望する女性達のための短編集。そこは天才の乃南さん、単純な幸せではない。恨みがあり、仕返しがあり、裏切りがあり、見込み違いがあり、恐れがあり、それも深い深いところで、様々な怨念が渦巻く。人間とは、何と大変な生き物か。全部で、7編のお話しが入っているが、そのどれとして、似た手法がなく、短いながらも、山あり谷ありで、面白い。こんな心情になるのは自分にも良く分かる、と、読みながら思う方が沢山いらしゃるような気がするのだが・・。

真夏の方程式   東野圭吾  文芸春秋  5/15/13

May 15, 2013

久しぶりの東野さんの小説。優しさに溢れた、サスペンス小説。もちろん殺人事件が起こるのだけど(一つだけでなく、ね!)、その謎解きだけでなく、東野さん大骨頂の、心理性を読み解いていく方式。現在の事件を解いていくに従って、昔の事件に行き着く。家族の愛情がずんずんと身にしみるお話し。

今夜もベルが鳴る 乃南アサ  詳伝社文庫  5/8/13

May 8, 2013

これも精神に支障を持った殺人者のお話し。「変身妄想」という病名が本当にあるのかどうかは分かりませんが、「ある特定の人物に憧れ、彼・彼女を模倣したい、あの人のようになりたい」という願望から始まり、自分が誰だか分からなくなる、精神障害。この「変身願望」と「恋愛願望」を同時に描く(もちろん違う登場人物だけど)、恋愛サスペンスとでも言うのでしょうか。主人公のゆかりの行動については、普通だったら、こんなことは絶対しないぞ、など若干疑問がもてないこともないけれど、電話線(古いコンセプト、だけど書かれた年代がはっきりしないのでOK)を通じての恐怖が、本の全編にヒソヒソと漂う。現在のネット社会の恐怖に比べれば、もしかしたら、救いようのある恐怖かも、と思う、携帯べったりの私です。