Japanese Blog (日本語のブログ)

白鵬関、おめでとう。 11/24/14 November 24, 2014

感動の福岡場所でしたね。まあ、毎場所、同じ事、言っている私ですけど。未だに、熱き場所が心でわさわさしています。心技体とは良く言ったもの。白鵬関の大きさには、毎度本当に感動します。特にこの場所の優勝インタビューでの涙は、こちらの心にどーんと響いてきました。ついに大鵬の最多優勝の32勝に並び、相撲界の頂点の頂点に立った白鵬関。どんな気持ちが渦巻いているのでしょうか。どうしよもない感情の渦が、涙と一緒になってインタビューでの受け答えになっていたように思います。来年も相撲界を背負って、颯爽と、かっこよく、それでいて気負いのない態度で、私達相撲ファンに素晴らしい土俵を見せて下さい。感動の相撲、本当にありがとうございます。

優しさごっこ 今江祥智  理論社 11/24/14 November 24, 2014

最近再び今江さんの本と手に取っている。これは、もしかするとホームシック??「優しさごっこ」を読んでいると、とてつもなく日本が懐かしくなるのって、不思議である。言葉で言うと難しくなるけれど、心配りとか、丁寧さとか、心の襞に触れるような優しさかなあ。私も若かったころ、児童文学者に憧れていて、自分でもなりたっかったという歴史があるので、こうして再びあのころ読んだ本を読むと、そのころの気持ちに戻るのかもしれない。素晴らしい文章力と素敵な想像力で、読者をぐいぐい惹き込む今江文学。まだ読んだ事がなければ、是非一度読んでください。

ナニカアル  桐野夏生 新潮社  10/19/14 October 19, 2014

これは、林芙美子の生涯を小説化した、桐野さんの力作。芙美子の強さと才能を、恋愛と絡めて、激しく迫っていく。読んでいる間にすべてが本当に起こったかのような錯覚に陥る。最高のロマンスなのか、すべてが創作なのか。芙美子の生涯をあらゆる角度から調べ尽くした上での、フィクション。桐野さんへの尊敬が、一段と大きくなった作品です。

9月場所 大相撲の楽しさ、満喫  9/28/14 September 28, 2014

皆様もご存知のように、今場所の大相撲はちょっと違いましたね。ほぼ毎日「満員御礼」の札が出て、お客様の熱気がテレビを通しても伝わってくるようでした。私もあそこにいたい!連日解説の方々が、相撲の内容が良いというコメントを出していますが、内容の良さに加え、ひと癖もふた癖をある若手力士が出てきて、面白さを何倍にもしています。豪栄道の不振が、他の力士の活躍で余り目立たないのは、良いものやら悪いものやら。逸ノ城(モンスターボーイ)の新人離れした活躍には、まさに脱帽です。しぶとさも、器用さも、データ収集力もあり、力だけに頼っているわけではない。今後が、滅茶苦茶楽しみですね。連日寝不足だけど、どうって事はない。深夜一人テレビの前で、応援しています!

NHK達人達 竹内洋岳 篠宮龍三 インタビュー  9/28/14 September 28, 2014

先日ジャパンTVで見た番組から。アメリカ在住の為、このお二人の事をこのテレビ番組まで知らなかったのですが、はっきり言って感動しました。竹内さんは酸素なしで8000メートル級の山を次々と制覇、篠宮さんは海で。こちらも機材なしでのダイビングの記録保持者です。確か115メートルの深さまで潜った記録を作ったのだと思います。もちろんこうした「記録」にも深く感動するのですが、お二人の話の中で、メンタルケアの重要性が語られ、というか、ほとんどの話が、精神面での事で、とても興味深かったですね。体の強さを極限まで突き詰めたお二人の話の中心が、精神の強さに集中したのは、偶然ではないはず。そして、競技中や登山中での精神の旅、どういう風に気持ちが変化していくのか、そしてどういう風に自分でコントロールしていくのか。その強さには、恐れさえ感じました。精神が身体の強さ、健康を支配することは、我々の人生のすべての局面で出てくるのではないでしょうか。そしてこれは、我々音楽家のステージ上での精神面での強さ、弱さ、集中力にも繫がると思います。現在こそ健康に恵まれている私ですが、渡米前の日本での暮らしでは、精神的に不健康な状況が続いていたので、日常的に頭痛に悩まされ、元気に欠け、お酒に逃げ込むことも多く、今となると思い出したくない私の歴史です。でも思い出したくなくても、今の私を築いたヒストリーであるのも、事実です。深い意味での精神面の重要性を忘れずに、健康で、明るく、そして楽しく、暮らしていきたいですね。

夢幻花  東野圭吾  PHP  9/6/14 September 6, 2014

3冊めになる、東野さんのご本!興奮が続きますね、この本は、ちょっと趣向が違って、現実からちょっと遠い感じ。殺人の動機が、植物にある訳です。人間って、悲しい動物ですね。切羽詰って人を殺すのだけど、その動機が小さな人間としての見栄だったり、誇りだったりする。自分らしく生きるのって、難しい、本当に。

祈りの幕が下りる時  東野圭吾 9/6/14 September 6, 2014

これは、加賀恭一郎シリーズの一冊です。複雑に絡んだストーリーがおもしろくて、しょうがない。いくつもある秘密の扉をひとつひとつ開けていくみたい。これで終わりかな、と思うと又、すぐ目の前に次の扉がある。東野さん、本当にめちゃ頭が良いですね。日本の放射能問題にも鋭く触れ、「今っぽさ」も忘れていない(もちろん今だけの問題ではないのだけど)。話の構築性に、説得感があって、ばっちり、面白ろすぎます。

新参者   東野圭吾  講談社  9/6/14 September 6, 2014

おもしろい!の一言ですね。下町の景色が、目の前に見えるよう。一章ごとに、背景を変え、登場人物を変え、あたかもお芝居のよう。いつも魅力的な、東野さんの小説。そして必ず人間の本質に関わる部分が出てくる。犯人には確固たる動機があるものの、それが中々表面に出てこない。一つ一つに状況証拠を積み重ね、真犯人に迫る。次が知りたくて、もう寝られなくなっちゃう。

ハピネス  桐野夏生   光文社  8/19/14 August 19, 2014

皆さんも読書好きだと思いますが、私はとにかくお気に入りの本を読んでいれば、幸せ。「ハピネス」は、この旅の最後に読んだ本。最後を飾るに(!)相応しい、大作です。飛行機の中で読んでいて、涙が止まらなかった所がある。もうとんでもないくらい日本的な、主役の有紗。その彼女が脱皮していくお話です。途中はこちらがイライラするくらい、おどおどして自信のない彼女が、次第に太っ腹になり、自分が持てるようになる。とても説得力があり、私達を勇気づけますね。そして愛に満ち満ちた本。だって誰だって「愛」を探して生きているんじゃないのかしら。長編だけど、どーんと引きずり込まれて、一気に物語のなかに、自分も生きてしまう。私もタワマンの住民であるがごとく。是非読んでみて下さい。

降霊会の夜  浅田次郎 朝日新聞社  8/19/14 August 19, 2014

現在の時間と過去の時間を、行きつ戻りつしながら、何が真実なのかを、探るお話し。時には涙することも。誰だって自分勝手。自分が可愛い。そして、人生ってとても不公平。悲しい運命を受け入れながら生きるキヨ。その両親。キヨの死は余りにも残酷だけど、何だか自然にも思えてしまう。霊媒師という非現実の媒体を通して語られる、真実の一冊。感動の一言です。